「中東」と聞くと、「紛争」や「石油」といったイメージを抱く方が多いのではないでしょうか?
しかし、現代の中東は、それだけにとどまらない多彩な一面を持ち、今や世界の中心地として急速に存在感を高めています。
そんな中東の本当の姿を伝えるのが、石田和靖氏の著書「第三世界の主役「中東」日本人が知らない本当の国際情勢」です。
石田氏は、YouTubeチャンネル「越境3.0チャンネル」で25.7万人以上の登録者を持つ国際情勢の専門家です。
本書は、彼が30年にわたって中東に関わってきた経験をもとに書き上げた渾身の一冊です。
中東情勢は、複雑で難解な印象を持たれがちです。
しかし本書では、できるだけ平易な表現でわかりやすく解説されています。
そのため、中東に関する知識がまったくない方でも、すんなりと読み進めることができる内容となっています。
この記事では、「第三世界の主役「中東」」の概要に加え、実際に読んだ方の感想や評価についてご紹介していきます。
本の情報

出版年月 | 2024年2月1日 |
著者 | 石田和靖 |
出版社名 | ブックダム |
発行形態 | 単行本(ソフトカバー)、Kindle版 |
ページ数 | 238P |
価格 | 1,870円(税込) |
ISBNコード | 9784911160015 |
目次
本書は以下の章立てで構成されています。
- 第1章 進化する中東
- 第2章 中東の宗教と気質を理解する
- 第3章 中東各国の関係 これまでの100年
- 第4章 中東と世界の関係 これからの100年
- 第5章 日本に石油が入ってこなくなる日
- おわりに
本の概要

「第三世界の主役「中東」」は、全5章で構成されています。
第1章では、「進化する中東」というテーマのもと、石油だけに頼らない新たな中東の姿を紹介しています。
ドバイの成長戦略や、サウジアラビアが進める未来都市計画「NEOM」など、世界のハブとしての中東の可能性が描かれています。
第2章では、「中東の宗教と気質を理解する」をテーマに、イスラム教の基本的な考え方や、中東の人々の気質についてわかりやすく解説しています。
宗教と文化を知ることで、中東への理解がいっそう深まります。
第3章と第4章では、中東各国の関係性に焦点を当てています。
過去100年の歴史を振り返りながら、これから100年の展望についても示されています。
中東地域がどのように変化してきたのか、そして今後どこへ向かうのかを俯瞰できる内容となっています。
そして最後の第5章では、「日本に石油が入ってこなくなる日」という衝撃的なテーマを取り上げています。
日本と中東の関係、そしてこれから訪れるビジネスチャンスについても言及されていて、日本人にとっても無関係ではない現実が浮き彫りにされています。
本書の大きなテーマは、「固定観念にとらわれず、中東の本当の姿を知ること」です。
著者は、「第三世界の主役」という言葉に込めた思いとして、中東が今後の世界の中心地の一つになると確信しています。
専門的な内容も含まれていますが、できるだけわかりやすい言葉でまとめられているため、中東に詳しくない方でも安心して読み進めることができます。
中東に興味を持つきっかけを作る一冊といえるでしょう。
また著者は、読者に対して三つのことを期待しています。
ひとつ目は「中東の現状を正しく理解すること」。
ふたつ目は「中東の現状を踏まえて、日本の未来を考えること」。
そしてみっつ目は「著者のように、自ら行動を起こしてみること」です。
この本を手に取れば、きっとあなたの世界観も広がるはずです。
「第三世界の主役「中東」」をネットで調べた他の読者の声

「第三世界の主役「中東」」に対する読者の感想を調べてみると、全体的に高い評価を受けていることがわかります。
たとえば、次のような声が寄せられています。
「越境3.0チャンネル」ファンなら必読の一冊です。日本は中東から学ぶべきことがたくさんあります。中東には夢があり、読んでいて明るい気持ちになれました。」
また、別の読者は、次のように感想を述べています。
「中東の歴史や情勢が、簡潔にまとめられていてとてもわかりやすいです。学校の教科書にしてもいいくらいだと思います。」
さらに、マスコミでは知ることが難しい世界情勢に関心を持ち、自ら知ろうと本書を手に取った読者もいます。
「今の世界で起こっていることを、マスコミだけでは理解できないと感じ、自分で学ぼうと思いました。中東に対して苦手意識がありましたが、著者の動画を見て興味を持ち、購入しました。色分けされていて読みやすく、理解しやすい内容でした。」と、前向きな声が寄せられています。
また、ブログでも、本書に対する感想が紹介されています。
「石田さんの話を聞き、動画を見たことで、中東に対する見方が大きく変わりました。まだ複雑でわからない部分もありますが、中東を見る目が変わるだけで、ニュースの見方まで変わるのだと自分自身に驚きました。」
このように、多くの読者が「第三世界の主役「中東」」を通じて、新たな視点を得たと感じているようです。
中東に対するイメージが変わるきっかけを与えてくれる一冊だといえるでしょう。
「第三世界の主役「中東」」の評価と書評

「第三世界の主役「中東」」が高く評価されている理由は、著者自身の現地体験に裏打ちされた「生きた情報」がふんだんに盛り込まれている点にあります。
30年にわたり中東に足を運び、現地の変化を間近で見てきた著者だからこそ、日本の報道だけでは伝わりにくい中東の実情を、わかりやすく伝えることができています。
本書は、中東に対する固定観念を打ち破るきっかけとなるでしょう。
とくに注目したいのは、第1章の内容です。
ここでは、中東を単なる「紛争地域」や「石油産出地」と捉える従来の見方を覆し、ドバイやサウジアラビアを中心に急速に発展する中東の姿がいきいきと描かれています。
サウジアラビアの未来都市計画「NEOM」の壮大なビジョンや、ドバイの独自の成長戦略など、日本ではあまり知られていない貴重な情報が詰まっています。
また、イスラム教の基本的な教えや、中東の人々の気質についての解説も見逃せません。
たとえば、「誇り高く、見栄を重んじるアラブの人々」や、「イスラム金融に見るイスラム教の柔軟な一面」など、興味深い話題が多数取り上げられています。
中東を深く理解するための第一歩となるでしょう。
ただし、本書は「中東を知るきっかけ」を目的として書かれた入門書です。
そのため、専門的な内容の掘り下げは控えめで、より高度な分析を求める読者にはやや物足りなく感じるかもしれません。
とはいえ、中東に興味を持ち始めた方にとっては、最適な一冊と言えるでしょう。
「第三世界の主役「中東」」をチェックする
「第三世界の主役「中東」」のオススメの読者層

「第三世界の主役「中東」」は、次のような方にとくにオススメできる一冊です。
- 国際情勢に関心がある方
中東は、アメリカ/中国/ロシアといった大国とも密接に関わり、世界情勢に大きな影響を与えています。
本書は、中東を軸に世界を読み解く視点を提供していて、国際情勢への理解を深めたい方にぴったりです。 - 新たなビジネスチャンスを探している方
中東には、まだ広く知られていないビジネスの可能性が数多くあります。
とくに第5章では、日本とサウジアラビアを結ぶ「ブルーアンモニア」など、これから注目される分野についても紹介されています。
柔軟な発想で世界に挑みたい方には、貴重なヒントとなるでしょう。 - メディアリテラシーを高めたい方
本書には、日本の報道ではなかなか触れられない中東の実情が詳しく描かれています。
著者自身が現地に足を運び、直接見聞きした事実に基づいているため、メディア報道との違いを実感することができます。
情報を正しく見極める力を養いたい方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
これらに当てはまる方は、「第三世界の主役「中東」」をぜひ一度試し読みしてみてください。
きっと、世界を見る目が変わるきっかけとなるでしょう。
「第三世界の主役「中東」」の類似作品の紹介

「第三世界の主役「中東」」を読んで興味を持った方には、次の作品もオススメです。
- 「オイルマネーの力 世界経済をリードするイスラム金融の正体」(石田和靖 著、2010年)
本書の著者、石田和靖氏による過去の著作です。 イスラム金融の仕組みや、世界経済におけるオイルマネーの影響について、わかりやすく解説されています。
中東経済の裏側をさらに深く知りたい方にぴったりの一冊です。 - 「エゼキエル戦争前夜 日本人が知らない中東の歴史と現在」(石田和靖 著、2024年)
中東の歴史と現代の情勢について、幅広く取り上げた一冊です。
「第三世界の主役「中東」」とあわせて読むことで、中東への理解をよりいっそう深めることができるでしょう。 - 「10年後、僕たち日本は生き残れるか 未来をひらく「13歳からの国際情勢」」(石田和靖 著、KADOKAWA)
若い世代にもわかりやすく国際情勢を伝えることを目指した一冊です。
中東だけでなく、世界全体の動きについても学びたい方にオススメです。
興味を持たれた方は、ぜひこれらの関連書籍も手に取ってみてください。
きっと、さらに広い視野を得ることができるでしょう。
著者について

石田和靖氏は、1971年東京都生まれの国際情勢解説者です。
東京経済大学を中退後、会計事務所に勤務し、中東から東南アジアにかけて活躍する外国人経営者の法人業務を数多く担当しました。
2003年には、株式会社ザ・スリービーを設立。
その後も年に十数回、世界各国を訪問し続けています。
香港/ドバイ/サウジアラビア/アゼルバイジャンといった国々の企業や政府系ファンドとも強いネットワークを築いています。
2013年には、世界を舞台に挑戦する人々のための交流組織「越境会」を立ち上げ、会長に就任しました。
さらに2016年には、沖縄県宮古島市とアゼルバイジャン・ナヒチェバン市の提携都市プロジェクトを手がけ、アゼルバイジャン共和国文化観光省の顧問にも任命されています。
また、石田氏はYouTubeチャンネル「越境3.0チャンネル」でも活躍しています。
毎日夜8時に最新の世界情勢をわかりやすく解説し、累計再生回数は6788万回(2025年5月時点)を超えました。
チャンネル登録者数も25.8万人(2025年5月時点)を超える人気を誇ります。
著書には、「日本人の知らないアゼルバイジャン」、「越境せよ!」、「オイルマネーの力」、「ドバイ株投資完全マニュアル」など、海外ビジネスや投資に関する書籍が多数あります。
テレビやラジオにも積極的に出演し、幅広く情報を発信し続けています。
「第三世界の主役「中東」」のよくある質問

- 中東について何も知らなくても、この本は理解できますか?
- はい、ご安心ください。本書は、専門的な内容も含んでいますが、できる限りわかりやすく解説することを心がけています。
中東に対して固定観念を持っている方や、これから学び始めたい方にとって、最適な入門書となるでしょう。
- 本書では、どのような国々が取り上げられていますか?
- ドバイ(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア/イラン/イスラエル/エジプト/カタール/ヨルダン/アゼルバイジャンなど、多くの中東諸国が登場します。
とくにドバイやサウジアラビアの急速な発展については、詳しく解説されています。
- 本書は政治的な話題が中心なのでしょうか?
- A政治的な内容も一部含まれていますが、それだけではありません。
中東の経済発展、文化、宗教(イスラム教)、さらにはビジネスチャンスに至るまで、多角的な視点から中東を読み解いています。
とくに、経済成長や将来性については重点的に取り上げられています。
まとめ
「第三世界の主役「中東」日本人が知らない本当の国際情勢」は、中東に対する固定観念を覆し、新たな視点を与えてくれる貴重な一冊です。
本書の特徴は、次の通りです。
- 著者自身の30年にわたる中東での経験に基づいた「現地のリアルな情報」が満載
- 「紛争」と「石油」だけではない、中東の多様な側面を知ることができる
- 専門的な内容を含みながらも、わかりやすく解説されていて、初心者にも安心して読める
- 中東がこれから世界の中心地のひとつになっていくという視点を得られる
- 日本と中東の関係、今後のビジネスチャンスについても実用的に紹介されている
中東は、今や世界情勢を読み解く上で欠かせない地域です。
本書を通じて中東への理解を深めることで、これからの世界を見通す力を身につけることができるでしょう。
国際情勢に興味がある方はもちろん、ビジネスチャンスを探している方、メディアリテラシーを高めたい方にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
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