2024年6月19日、幻冬舎から発売された柴田哲孝氏の小説「暗殺」が話題を呼んでいます。
本作は、2022年7月に実際に起きた元内閣総理大臣の暗殺事件を題材にした政治サスペンス小説です。
物語の幕開けは、奈良県で演説中だった元総理が銃撃され命を落とすという、あまりにも衝撃的な事件。
その場で現行犯逮捕された男の背後には、一体どのような闇が潜んでいたのか?
柴田氏は膨大な取材をもとに、表では語られない陰謀と真相を独自の視点で描き出しています。
著者の柴田哲孝氏は、日本推理作家協会賞や大藪春彦賞を受賞してきた実力派。
フィクションとノンフィクションの両分野で活躍していて、社会の闇に鋭く切り込む作風に定評があります。
「暗殺」では、現実の事件をモチーフにしながらも、小説ならではの深い考察とスリリングな展開が織り込まれています。
事件の裏にある「もしも」を描くことで、読者に強い問いを投げかける一冊。
真実とは何か? 私たちが目にしている情報は本当に正しいのか?
そんな疑問が頭から離れなくなることでしょう。
政治や報道に興味のある方、重厚なサスペンスを求める方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
この記事では、小説のあらすじや主な登場人物、ネットで調べた読書の声や書評をご紹介します。
小説「暗殺」の本の情報

出版年月 | 2024年6月19日 |
著者 | 柴田哲孝 |
出版社名 | 幻冬舎 |
発行形態 | 単行本 |
ページ数 | 381P |
価格 | 1,980円 |
ISBNコード | 9784344043060 |
小説「暗殺」の目次
- 序文
- 第一部:影の男
- 第二部:暗殺
- 第三部:陰謀論
- 第四部:蘇る亡霊
- エピローグ:追憶
小説「暗殺」のあらすじ

柴田哲孝氏の小説「暗殺」は、読み手を冒頭から惹き込む衝撃の事件で幕を開けます。
物語の発端は、奈良県の近鉄大和西大寺駅前で演説を行っていた元内閣総理大臣が、突然銃撃され命を落とすという出来事です。
その場で取り押さえられたのは、41歳の男。 手製の銃を使って犯行に及んだとされ、男は動機として「元総理と宗教団体との関係」を挙げました。
しかし、事件には多くの不可解な点が残されています。
まず、致命傷となった銃弾が現場から見つかっていません。
また、元総理の体に残された銃創は、容疑者がいた方向とは逆から撃たれたものでした。
さらに、警察による現場検証が行われたのは、事件から5日も経過した後だったのです。
こうした不自然な状況の中、物語は真相を求めて進んでいきます。 調査が進むにつれて、35年前に起きた「朝日新聞襲撃事件」とのつながりや、政治の裏で暗躍する勢力の存在が浮かび上がってきます。
事件は果たして、個人の暴走によるものだったのか?
それとも、背後にもっと大きな力が潜んでいたのか?
作中では、外国勢力の関与を示唆する場面も描かれ、真犯人の存在や事件の全貌が少しずつ明らかになります。
綿密な取材に裏打ちされたストーリーは、現実に起きた事件を土台としながらも、読者に「本当に信じてよいものとは何か?」を問いかけてきます。
リアルと虚構が交錯する、緊迫のサスペンス。 読み進めるほどに深まる謎と、明かされていく真実に、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。
小説「暗殺」の主な登場人物紹介

首謀グループに関わる人物たち
高野晃則(たかの あきのり)
日本皇道会の総裁であり、過激な思想を持つ右翼勢力の中心人物。
政界の裏側に精通し、まさに“黒幕”と呼ぶにふさわしい存在です。
「禁厭(きんえん)」という神道に由来する呪術的な命令を発し、物語の核となる田布施首相の暗殺を実行に移します。
山道義長(やまみち よしなが)
民族派右翼の中でも注目を集める若手有力者。
神道をベースとした新興宗教団体「神の守人(かみのもりびと)」の副総裁を務めています。
表向きは宗教家として活動しつつも、政治的な影響力を持つ危険な存在です。
雑誌社と調査に関わる人物たち
一ノ瀬正隆(いちのせ まさたか)
週刊誌「週刊サブジェクト」の契約記者。
表向きは報道の仕事をこなす記者ですが、元総理の暗殺事件に疑問を抱き、独自に調査を進めていきます。
真相に迫ろうとする彼の行動が、物語の大きな推進力となります。
高村美恵(たかむら みえ)
同じく「週刊サブジェクト」の契約記者で、38歳の女性。
一ノ瀬の調査に協力しながら、冷静かつ的確に状況を見極め、事件の真相に迫る手助けをします。
理知的で芯の強いキャラクターとして、物語に深みを与えています。
小説「暗殺」をネットで調べた他の読者の声

小説「暗殺」を読んだ人々の感想が、インターネット上で数多く投稿されています。
全体としては、作品のもつリアリティや構成の巧みさに対する高い評価が目立ちます。
ある読者は次のように語っています。
「ただのミステリーではない。現実の事件や社会の暗部に鋭く切り込んだ作品だ。 散りばめられた違和感が最後につながり、結末ではさらに深い闇が見えてくる。強烈な印象を残す一冊だ。」
また、別の読者は作者の取材力に驚きを示しています。
「驚いた。安倍元総理が暗殺されてからまだ2年。 それにもかかわらず、これほどまでに緻密に事実を調べ上げている。 もし作者がすべて自ら裏取りしていたのなら、95点を付けたい。」
一方で、異なる見方を示す意見もあります。
「実際の事件をもとにした物語だが、陰謀論を採り入れている点で、リアリティに欠けると感じた。」
この読者は、物語に登場する陰謀の規模や関係者の広がりに対して、やや疑問を抱いたようです。
全体を通して見ると、「暗殺」はその緻密な構成と、現実の出来事に迫る描写によって多くの読者を魅了しています。
ただし、実際の事件を題材にしていることから、物語に対する感じ方は人それぞれであり、賛否両論が生まれているようです。
小説「暗殺」の評価と書評

柴田哲孝氏による小説「暗殺」は、現実に起きた事件を題材にしながら、独自の視点と緻密な構成で読者を惹き込む政治サスペンスです。
その評価は非常に高く、多くの読者がその「現実との距離感の巧みさ」に魅了されています。
物語の展開は、まるでパズルを組み立てるかのように、点と点が線になり、やがてひとつの真実へとつながっていきます。
陰謀の糸口が次々に明らかになる過程は、読み手に強い緊張感と没入感を与え、自然とページをめくる手が止まらなくなります。
とくに印象深いのは、元内閣総理大臣の暗殺という衝撃的な事件を軸に、その背後にある謎や疑問をじっくりと描き出す手法です。
読者は主人公と共に、真実を求めて一歩一歩進んでいく感覚を味わえます。
本作が提示するもうひとつの見どころは、「令和」という元号に対する独自の見解です。
新時代の象徴として掲げられたこの言葉の裏に、どのような政治的意図があったのか?
作中では、それを単なる背景設定にとどめず、物語の一部として巧みに織り込んでいます。
この視点は、現実と物語が交差する瞬間を生み出し、読者に強い印象を残します。
実際の事件を基にしているという点については、意見が分かれるところです。
事件からそれほど時間が経っていないこともあり、配慮の欠如を指摘する声も見られます。
一方で、フィクションとしての深い考察や社会への問いかけを評価する声も多くあります。
「暗殺」は単なるサスペンス小説ではありません。
むしろ、現代の日本社会に対する鋭いまなざしと、政治の裏側にある現実を炙り出す批評的な作品といえます。
読み終えた後、心に残るのは「これは本当にフィクションなのだろうか」という深い問いかけです。
重厚で読み応えのある一冊を求めている方に、ぜひ手に取っていただきたい作品です。
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小説「暗殺」のオススメの読者層

柴田哲孝氏の小説「暗殺」は、ただのミステリーや政治小説にとどまらず、現実の社会や歴史の闇に踏み込んだ重厚な作品です。
読み応えのある内容だからこそ、特定の関心を持つ読者に深く響く一冊でもあります。
ここでは「暗殺」がとくにオススメできる読者層をご紹介します。
- 政治サスペンスが好きな方
政治の裏側や権力の暗闇に興味がある方には、本作の世界観が強く刺さるはずです。
実際の事件を思わせる展開と、巧みに組み立てられた陰謀の構図は、サスペンス好きにはたまりません。 - 現代日本の政治や社会に関心がある方
小説でありながら、現代の政治構造や社会背景を鋭く描き出している本作は、ニュースや政治に関心のある方にとって、新しい視点を得られるきっかけになるでしょう。 - 緻密な謎解きや推理要素を楽しみたい方
物語が進むにつれ、点と点が線でつながるように真相が明らかになっていく展開は、推理小説好きにも満足いただけるはずです。
伏線の回収や登場人物の思惑が絡み合う場面は、読むほどに惹き込まれます。
このような関心を持つ方にとって、「暗殺」は単なる読み物を超えた知的な刺激を与えてくれる作品です。
現実と虚構が交錯する中で、自分なりの“真実”を見つけてみてはいかがでしょうか。
一度読み始めたら、きっと最後まで目が離せなくなることでしょう。
小説「暗殺」の関連情報

元首相の銃撃事件を題材にした衝撃の政治サスペンス小説「暗殺」。
その舞台裏や着想の過程を知ることで、物語の奥行きがよりいっそう見えてきます。
今回は、著者・柴田哲孝氏と、ITジャーナリストの深田萌絵氏による対談映像をご紹介します。
No.61 深田萌絵×柴田哲孝「「暗殺」著者が語る元首相銃撃と自民党の闇」(前編)
この対談では、柴田氏がどのように事件を調査し、それを小説に落とし込んだのかが明かされます。
現実の銃撃事件を徹底的に取材した結果、「小説」という形で描くことを決意したという柴田氏。
その背景には、報道では触れられない真相と、社会に対する鋭い問題提起が込められています。
深田氏の鋭い質問と柴田氏の生々しい語り口が交差し、小説の深層が浮かび上がります。
「「暗殺」著者が語る安倍派粛清」柴田哲孝 × 深田萌絵 No. 66
続編となるこの対談では、「安倍派粛清」という刺激的なテーマを中心に展開。
小説の物語に織り込まれた政界の力学や、現実の政治と小説との交差点が浮き彫りになります。
柴田氏は、あくまでフィクションでありながらも、現実に起きた事象の裏側に切り込むことで、「読者に考えてもらう小説」としての「暗殺」の意図を語ります。
深田氏との議論の中で、本作に込められた政治的メッセージや、日本社会への問いかけがあらためて明確になります。
小説「暗殺」は、単なるフィクションとして読むのではなく、その背景や制作過程に触れることで、より深く味わえる一冊です。
上記の映像を通して、著者自身の言葉で語られる“物語の裏側”に触れてみてはいかがでしょうか?
現代日本の政治と社会を描く問題作、その核心をぜひ覗いてみてください。
小説「暗殺」を読んだ方にオススメの類似書籍の紹介

「暗殺」を読んで、その緻密な構成や政治サスペンスの世界観に惹き込まれた方は、ぜひ以下の作品にも目を通してみてください。
いずれも著者・柴田哲孝氏によるもので、政治や社会の裏側に迫る鋭い視点が光る作品ばかりです。
読みごたえがあり、深く考えさせられる物語に出会えるはずです。
- 「下山事件 最後の証言」(2005年)
戦後日本の未解決事件「下山事件」をテーマにしたノンフィクション作品です。
政治の闇と謎を追う緊張感ある筆致が特徴で、日本推理作家協会賞を受賞した代表作でもあります。
「暗殺」と同じく、丹念な取材と事実に基づいた構成が際立っています。 - 「TENGU」(2006年)
大藪春彦賞を受賞した、国際情勢と日本政治を背景にしたサスペンス小説です。
権力構造の裏側に切り込むスリリングな展開が魅力で、「暗殺」の延長線上にあるような世界観が味わえます。 - 「Mの暗号」(2016年)
謎解きと政治的陰謀が交差する「浅野迦羅守シリーズ」の第一作です。
複雑な構成と重厚なテーマが融合した一冊で、「暗殺」で刺激を受けた読者にとって、さらに深い謎を楽しめる作品です。
柴田哲孝氏の作品は、どれも社会の深層に鋭く切り込むテーマが特徴です。
「暗殺」をきっかけに、これらの関連書籍にもぜひ触れてみてください。
視点が広がり、さらに深い読書体験が得られることでしょう。
小説「暗殺」の著者について

「暗殺」の著者である柴田哲孝(しばた てつたか)氏は、現実と向き合うノンフィクションから、緊迫感あふれるフィクションまで幅広く手がける実力派の作家です。
1957年、東京都武蔵野市に生まれました。 日本大学芸術学部写真学科を中退後、フリーのカメラマンとして活動をはじめ、その後作家の道へと進みました。
小説家としての評価は高く、2006年には「下山事件 最後の証言」で「日本推理作家協会賞」と「日本冒険小説協会大賞」を同時に受賞。 さらに2007年には「TENGU」で「大藪春彦賞」に輝きました。
どれも現実の事件や社会の闇に切り込んだ重厚な作品で、深い取材と緻密な構成が光ります。
また、柴田氏は作家であると同時に、冒険家としての顔も持っています。
1986年から1990年には、世界的な過酷なレース「パリ・ダカールラリー」にドライバーとして参戦。
さらにはアマゾン川で世界最大級の淡水魚「ピラルクー」を釣る冒険旅行記も出版しています。
作品の迫力や臨場感は、こうした経験が土台にあるからこそ生まれているのかもしれません。
著書には、「神山健介シリーズ」「有賀雄二郎シリーズ」「田臥健吾シリーズ」「浅野迦羅守シリーズ」など、多くの探偵・サスペンス小説があります。
また競馬をテーマにした作品も手がけていて、ジャンルを問わず活躍しています。
事実を追いながらも物語性を損なわない柴田氏の筆致は、現代社会の裏側に鋭く切り込みたい読者にとって、非常に魅力的です。
「暗殺」をきっかけに、ほかの作品にもぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
小説「暗殺」のよくある質問

- この小説は実際に起きた事件をもとにしているのですか?
- はい、実際の事件をモチーフにしていますが、内容はあくまでも創作です。
作者の柴田哲孝氏が綿密な取材を行い、事実とフィクションを巧みに組み合わせて物語を構成しています。
現実に起きた出来事に着想を得ながらも、小説として独自の世界観が描かれています。
- 政治や歴史に詳しくなくても読めますか?
- まったく問題ありません。
物語の展開はわかりやすく、背景となる情報も作中で丁寧に説明されています。
政治や社会問題に関心のある方なら、より深い楽しみ方ができるかもしれませんが、知識がなくても十分に読み進められる内容です。
- この小説はシリーズ作品の一部ですか?
- 「暗殺」は単独で完結する作品です。
シリーズものではないため、この一冊だけで物語が完結します。
はじめて柴田氏の作品に触れる方にも安心してオススメできます。
もし本作が気に入った場合は、他の政治サスペンス作品にもぜひ挑戦してみてください。
- どのくらいリアルな描写がありますか?
- 非常に現実感のある描写が特徴です。
赤報隊事件のような実際の出来事や、実名に近い人物が登場する場面もあります。
フィクションでありながら、あまりの緻密さに「本当にあった話では?」と思ってしまうほどの迫力があります。
作者の取材力が随所に生きていて、読者を強く惹き込む要素となっています。
まとめ
柴田哲孝氏の小説「暗殺」は、実際に起きた元内閣総理大臣の暗殺事件をもとに描かれた、衝撃的な政治サスペンスです。
緻密な取材に裏打ちされたリアリティと、独自の視点で展開される物語は、ただのフィクションにとどまりません。
読者に深い問いを投げかける、重厚な一冊となっています。
本作が持つ魅力は、次のような点に凝縮されています。
- 実際の事件を下敷きにしながらも、創作としての完成度が高い緻密なストーリー構成
- 陰謀の糸口が次々と現れ、読むほどに惹き込まれる展開
- 政治の裏側や権力構造に切り込む鋭い視点
- 現実と虚構の境界を揺さぶる描写力と説得力
物語の中で明かされていく真実と、そこに込められた意味。
読み終えたあとには、現代社会を生きる私たちにとっての「真実とは何か?」を考えさせられることでしょう。
政治や社会に興味がある方、謎解きが好きな方、骨太な作品を求めている方にとって、「暗殺」はきっと心に残る一冊になるはずです。
ぜひ、その目で“真実”を確かめてみてください。
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