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漫画「爆弾」の本の内容と書評

漫画「爆弾」の本の内容と書評

「霊感があります。十時に秋葉原で爆発が起こります」
もし、警察署の取調室で酔った中年の男がそんな言葉を口にしたら、あなたはどう感じるでしょうか?

多くの人は、ただの冗談や思いつきだと片づけてしまうかもしれません。
しかし、その言葉どおりの爆発が実際に起き、さらに連続して爆破事件が発生しはじめたらどうでしょう。
もはや笑いごとではありません。
状況は一瞬で恐怖へと変わり、警察も世間も混乱に包まれていきます。

今回ご紹介する漫画「爆弾」は、そんな不穏な空気を一気に現実味へと引き寄せる物語です。
原作は、呉勝浩さんによる大ヒット小説で、「このミステリーがすごい!2023年版」と「ミステリが読みたい!2023年版」でダブル1位を獲得し、本屋大賞4位にもノミネートされた作品として知られています。

物語の中心となるのは、どこにでもいそうな冴えない中年男性・スズキタゴサクです。
彼が警察に持ちかけるのは、爆弾のありかを教える単純なやり取りではありません。
人の心の奥に潜む「悪意」や、見ないふりを続けてきた「差別意識」を試すような、恐ろしい心理戦です。
読み進めるほど、彼の言葉に潜む意図が少しずつ見えてくる恐怖がたまらない魅力となっています。

さらに、2025年10月31日には実写映画が公開されました。
原作の緊迫感を映像で見事に表現した作品として、大きな話題を呼んでいます。

小説のファンはもちろん、漫画ならではの迫力ある描写で新たな刺激を味わいたい方にもオススメの一冊です。
この記事では、漫画「爆弾」の内容や魅力、登場人物やオススメの人など分かりやすくお伝えしていきます。

本の情報

本の情報
出版年月2025年10月(第1巻)
著者原作:呉勝浩 / 漫画:さの隆
出版社名講談社
発行形態コミック(ヤングマガジンKC)
巻数既刊1巻(2025年12月時点)
価格792円(税込)
ISBNコード978-4-06-540522-2

漫画「爆弾」のあらすじ

漫画「爆弾」のあらすじ

「爆弾」の物語は、東京の野方警察署の取調室という閉ざされた空間から静かに幕を開けます。
連れてこられたのは、スズキタゴサクと名乗る49歳の中年男です。
古びたジャンパーを羽織り、どこか冴えない印象のこの男が、物語のすべてを大きく揺さぶる存在になります。

取調べが始まると、スズキは突然「霊感がある」と話し出します。
そして「十時に秋葉原で爆発が起きる」と予言めいた言葉を口にします。

担当刑事の等々力は、酔った男のたわ言だと思い相手にしません。
しかし、十時を少し過ぎた頃、本当に秋葉原の廃ビルで爆発が発生します。
警察署には緊張が走り、状況は一気に騒然となっていきます。

ところが、スズキの言葉はここで終わりではありません。
不敵な笑みを浮かべながら「これから三度、次は一時間後に爆発します」と告げます。
まるで警察に挑みかかるような言い方です。

スズキが警察に突きつけたのは、爆弾の場所を推理させる「なぞ解き」でした。
条件はただひとつ。
スズキの言葉を手がかりに、彼との対話を通じて爆弾の場所を突き止めることです。

ヒントはまるでなぞなぞのような曖昧なものばかりで、時間だけがどんどん迫っていきます。
必死に言葉の裏を読み取ろうとする刑事たち。
しかし、スズキの真の狙いは、爆発を起こすことそのものではありません。

取調べを通して、彼は刑事たちの心の奥に潜む差別意識や、体裁ばかりを気にする弱い本性を暴きはじめます。
爆弾という暴力と、言葉という暴力。

その二つを自由に操りながら、スズキは警察組織だけでなく、東京という大きな街さえ嘲笑うかのように翻弄していきます。
読むほどに緊張が高まり、先を追わずにはいられない展開が続くこの物語。

なぜスズキはここまでの行動を仕掛けるのか?
その理由が明らかになる瞬間まで、息をのむ展開が続きます。

漫画「爆弾」の登場人物紹介

漫画「爆弾」の登場人物紹介

スズキタゴサク

物語の中心に立つ人物であり、最大の謎を抱えた存在です。 年齢は49歳。
住所は定まらず、仕事もしていません。
自動販売機を蹴ったうえに店員へ暴力をふるった疑いで野方署に逮捕されました。

見た目はどこにでもいる無気力な中年男性ですが、人の弱点を見抜く鋭い洞察力を持っています。
取調べの途中で「霊感がある」と告げ、爆発を言い当てるなど、警察を混乱へと巻き込んでいきます。
本名や過去は不明で、その謎が物語をさらに不気味にしています。

類家(るいけ)

警視庁捜査一課強行犯捜査係に所属する刑事です。
髪はぼさぼさで、薄汚れた白い運動靴という格好からは刑事らしさを感じません。
しかし、その外見とは裏腹に頭脳は非常に優秀で、スズキとの心理戦では中心的な役割を担います。

組織の決まりより、自分の勘や論理を優先する変わり者です。
スズキの異様さをいち早く察知し、対峙していきます。

等々力 功(とどろき いさお)

野方署の刑事で、スズキの最初の取調べを担当した人物です。
正義感が強く、真面目な性格ゆえに、スズキの言葉に心を揺さぶられていきます。

スズキから「あんたは凡人だ」と言われ、傷つきながらも事件解決に向けて力を尽くそうとします。
懸命に糸口を探す姿が読者の胸を締めつけます。

清宮(きよみや)

類家の上司であり、警視庁捜査一課強行犯捜査係の刑事です。
冷静で、組織としての判断を最優先するタイプです。
類家の独特な行動に頭を抱える一方で、爆破を食い止めるために彼の能力を頼らざるを得ません。
スズキとの交渉に関しても、冷徹な判断を下しながら捜査を進めていきます。

倖田 沙良(こうだ さら)

野方警察署沼袋交番で勤務する女性巡査です。
猪突猛進な行動派で、行動力は際立っています。
爆破予告を受けると、現場で爆弾捜索に奔走します。
彼女もまた、スズキが仕掛けた「人間性」を問う試練に向き合うことになります。

漫画「爆弾」をネットで調べた他の読者の声

「漫画「爆弾」をネットで調べた他の読者の声

「爆弾」を調べてみると、原作小説を読んだ人からも、漫画から作品を知った人からも、高い評価が寄せられていることが分かります。

とくに多く見られるのは、スズキタゴサクの表情に関する感想です。
ある読者は「漫画のスズキの顔が、とにかく気味が悪い」と語り、別の読者は「小説で想像していた以上に不快で、でも見続けてしまう」と率直な印象を残しています。
さの隆さんの描く、人の心をえぐるような表情が、恐怖をより強くしていると受け止められているようです。

物語の流れについては、緊迫感のある展開を評価する声も多く集まっています。
「先が気になって読み続けてしまう」「取調室だけの会話なのに、まるで戦いを見ているような緊張感がある」といった声が挙がり、原作の持つ速い展開を漫画の構成が見事に引き継いでいると感じる読者が多いようです。

一方で、作品の重さを受け止めた感想もあります。
「読んでいると胸が苦しくなる」「人間の嫌な面を突きつけられて落ち込みそうになる」という声も見られます。

このような感情が生まれるのは、物語が人の心に潜む悪意を逃げずに描いているからこそといえます。
恐怖、緊張、苦しさ。
読者の声からは、この作品がホラーやサスペンスとして、高い完成度を持つことが伝わってきます。

漫画「爆弾」の評価と感想

漫画「爆弾」」の評価と感想

「爆弾」を読み終えたあと、強く心に残ったのは、スズキタゴサクが向けてくる「視線の力」でした。
普通の推理物であれば、犯人の仕掛けた技巧と、それを解く側の知恵比べが中心になります。

しかし、この作品でスズキが使う武器は、仕掛けだけではありません。
スズキは目の前の刑事をじっと見つめ、その視線だけで相手の弱点や劣等感をえぐり出していきます。
隠したいはずの心の奥にある差別心までも浮き上がらせる姿は、読む側にも緊張を与えます。
さの隆さんの描く絵は、この「視線」を非常に巧みに表現しています。

スズキの濁った瞳。
焦った刑事の揺れる目。
恐怖で見開かれた表情。

言葉がない場面でも、登場人物が何を考え、どこに怯えているのかがはっきり伝わってきます。
とくに、スズキが頬をゆがめて笑いながら人の痛いところを突く場面は、こちらまで心の奥を見透かされたような不快感を覚えます。

物語の進み方も非常に心地よい緊張を生み出しています。
爆発までの残り時間が示されるなかで続く会話は、ただのやり取りとは思えないほどの迫力があります。
原作は厚みのある本ですが、漫画になることで表情や動きが視覚的に伝わり、状況の緊迫感がより直接的に入り込んできます。

一方で、読者によっては重く感じる部分もあります。
登場人物の心の闇があまりに現実的に描かれているため、気持ちが沈むという人もいるかもしれません。
痛みをともなう展開が続くため、すっきりとした勧善懲悪を求める人には刺激が強いと感じる場面もあります。
しかし、この「苦しさ」が作品の魅力そのものでもあります。

現代社会の暗い部分に光を当て、人の心に潜む醜さを隠さず描く姿勢は、鋭い刃物のように胸へ刺さります。
だからこそ、一度読みはじめると簡単には目を離せません。

漫画「爆弾」のオススメの読者層

漫画「爆弾」のオススメの読者層

「爆弾」は、ただの犯人捜しではなく、人の心の奥に潜む本音をあぶり出すような物語です。
読み進めるほど緊張が高まり、気づけばページをめくる手が止まらなくなります。
そのため、どんな読者に向いているのかを整理しておくと、作品の魅力がより伝わりやすくなります。
「爆弾」は、以下のような方にとくにオススメです。

  • 心理を扱う物語や読み合いが好きな方
    爆弾のありかを推理する過程は、単なるなぞ解きではありません。
    犯人との会話で揺さぶられる心理戦が中心で、相手の言葉の裏を読み取る面白さがあります。
    とくに、読み合いや駆け引きを楽しみたい方に向いています。
  • 社会の影を描く物語に興味がある方
    この作品は、爆破事件そのものだけでなく、格差や差別、無関心といった現代の問題を鋭く描いています。
    社会のゆがみを深く考えさせられる作品を求める方にぴったりです。
  • 映画版「爆弾」を観る予定の方、すでに観た方
    映画では語り切れない細かな描写や心理の動きが、漫画では丁寧に表現されています。
    映画と合わせて読むことで、物語の深みをより鮮明に味わえます。

このような方には、とくに心に響く作品になるでしょう。
物語のテンポ、キャラクターの心理描写、そして社会への鋭い視線が見事に組み合わさり、読み応えのある時間を楽しめます。
興味を持った方は、ぜひ一度手に取ってみてください。 印象に残る読書体験になるはずです。

漫画「爆弾」の関連情報の紹介

漫画「爆弾」の関連情報の紹介

漫画「爆弾」をより深く味わうために、原作小説や映画作品について知っておきたい情報をまとめました。
作品の背景を知ることで、物語の緊張感やテーマがさらに鮮やかに感じられるでしょう。

原作小説:呉勝浩「爆弾」

漫画を見てさらに物語の奥行きを知りたい方には、呉勝浩の小説「爆弾」(講談社文庫)がオススメです。
この作品は「このミステリーがすごい! 2023年版」と「ミステリが読みたい! 2023年版」で、ともに第1位を獲得した話題作です。

読んでいく中で、人物たちの行動の裏にある思いや動機がより鮮明になり、物語への理解が深まります。
映画と原作を読み比べることで、物語の見え方が変わるのも魅力のひとつです。
さらに続編となる「法廷占拠 爆弾2」では、事件のその後が描かれています。
映画の結末に衝撃を受けた方は、ぜひ手に取ってみてください。

映画「爆弾」

映画「爆弾」は、呉勝浩の同名小説を原作とした緊迫のサスペンスです。
取調室での心理戦と、都内で進む爆弾捜索が同時に描かれ、時間が刻々と迫る緊張が続きます。
物語は、逮捕された謎の中年男「スズキタゴサク」が、霊感を理由に都内へ爆弾を仕掛けたと告げるところから始まります。
刑事たちは翻弄されながらも真相へ迫ろうとし、やがて予想外の展開が訪れます。

主演は山田裕貴。
共演者には佐藤二朗、伊藤沙莉、染谷将太、渡部篤郎といった実力派俳優がそろい、物語に厚みを与えています。
映画ならではの緊迫感と、原作に基づいた巧みな構成が合わさり、最後まで目が離せない作品です。

映画「爆弾」の作品情報・あらすじ・評価・上映映画館 映画「爆弾」の作品情報・あらすじ・評価・上映映画館

漫画だけでなく、原作小説や映画にも触れることで、「爆弾」という作品が持つ多層的な魅力をより強く感じられるでしょう。
物語の背景や登場人物の心の動きを知ることで、それぞれの媒体が持つ味わいがいっそう深まります。
作品世界をじっくり堪能したい方には、原作・映画・漫画を順に楽しむ読み方もオススメです。

漫画「爆弾」を読んだ方にオススメの類似漫画の紹介

漫画「爆弾」を読んだ方にオススメの類似漫画の紹介

「爆弾」の独特な緊張感や深い心理描写に惹かれた方は、同じように心を揺さぶられる作品にも出会えるはずです。
ここでは、物語の雰囲気やテーマに共通点があり、とくに相性のよい作品を選んでまとめました。
作品選びの参考として、ぜひ役立ててみてください。

  • 「君が獣になる前に」(さの隆)「爆弾」の作画を担当した、さの隆さんが描く物語です。幼馴染が起こした事件の真相を探るため、主人公が何度も時をさかのぼる展開が続きます。人間の狂気と愛が入り交じる描写が魅力で、人物の表情や心の揺れは「爆弾」と通じるものがあります。
  • 「ミュージアム」(巴亮介)カエルのマスクをかぶった犯人が、残酷な制裁を次々と行う物語です。警察への挑発、張りつめた追跡劇、そして極限状態の心理が強く描かれています。追う側と追われる側の緊迫感が、読む手を止められなくさせます。
  • 「マイホームヒーロー」(山川直輝/朝基まさし)普通の会社員が、娘を守るために危険な相手と知恵比べをしていく物語です。冴えない中年男性が知恵と覚悟で相手と渡り合う姿は、立場は違いながらもスズキタゴサクとどこか重なります。

これらの作品は、心理の深い部分に触れる描写や、人が追い込まれたときに見せる本音が強く描かれていて、「爆弾」を楽しんだ読者にとって読み応えのある作品ばかりです。

気になる作品があれば、ぜひ一度手に取ってみてください。

著者について

著者について

原作:呉 勝浩(ご かつひろ)

1981年生まれ、青森県出身の作家です。 現在の推理小説界で、とくに勢いがある作家として知られています。
「道徳の時間」で江戸川乱歩賞を受賞し、鮮烈なデビューを飾りました。
その後も「スワン」で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞するなど、多くの賞を重ねています。

呉さんの作品は、先の読めない展開と、人の心の暗い部分まで踏み込む重厚なテーマが特徴です。
読むほどに緊張が高まり、物語の底にある真実を探りたくなる不思議な吸引力があります。

漫画:さの 隆(さの たかし)

漫画家として、衝撃的なサスペンス作品を数多く手掛けてきた人物です。
代表作として「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」や「君が獣になる前に」が挙げられます。
リアルで緻密な絵柄で、心をえぐるような残酷描写を織り交ぜるその作風は、多くの読者の心を揺さぶってきました。

この独特の画力と迫力ある表現が強い印象を残し、作品の緊張感をより際立たせています。
「爆弾」においても、その表現力は遺憾なく発揮されています。
登場人物の視線や姿勢のわずかな変化すらも読み手に強く訴えかけ、物語の不穏さをより鮮明にしています。」

漫画「爆弾」のよくある質問

漫画「爆弾」のよくある質問
原作小説と漫画版に違いはありますか。
物語の大きな流れは原作に忠実です。
ただし、漫画版では視覚ならではの迫力が加わり、印象がより強く残るように工夫されています。
とくに、スズキタゴサクの不気味な表情や、爆発の場面は、絵として見えることで恐怖が直接伝わってきます。
また、一部の展開や台詞は、漫画の読みやすい速度に合わせて調整されており、原作とは違ったリズムで楽しめます。
映画版とのつながりはありますか。
映画版と漫画版は、どちらも同じ原作をもとに作られています。
しかし、表現の方法はそれぞれの媒体に合わせて違いが生まれています。
映画の映像表現は俳優の演技が生む迫力がありますし、漫画は描き込まれた表情や構図で心理を深く描き出しています。
映画の出演者を思い浮かべながら読むのも楽しいですが、漫画ならではの人物像も大きな魅力です。

まとめ

読み終えたあと、強い余韻が残るのが「爆弾」という作品の大きな魅力です。
ただ事件が起きるだけの物語ではなく、人の心の奥に潜む本音を突きつけてくるような力があります。
その特徴を振り返ると、次のような点が印象に残ります。

  • 取調室という閉ざされた場で続く、言葉による激しいぶつかり合い
  • 冴えない中年男とは思えないスズキタゴサクの不気味さと存在感
  • 追い詰められるなかで露わになる警察官たちの「隠された心」
  • 爆発の時刻が迫るなかで展開する、息の詰まる読み合い
  • さの隆さんの絵が生む、見た瞬間に背筋が冷えるような描写

読み進めるほど、「正義とは何か」「悪意とはどこから生まれるのか」といった問いが自然と胸に浮かんできます。
それは、この作品が単なる娯楽にとどまらず、人間を深く描く物語だからこそ生まれる感覚です。

日常の裏側に潜んでいるかもしれない狂気に触れてみたい方は、ぜひ一度「爆弾」を手に取ってみてください。
読み終わったあと、自分の中で何かが揺さぶられるはずです。