『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、2013年にダイヤモンド社から出版されて以来、多くの人に衝撃と気づきを与え続けている本です。
著者は、アドラー心理学の第一人者・岸見一郎氏と、ライターの古賀史健氏。
この本の大きな特徴は、ギリシア哲学の伝統的な手法である「対話篇」形式で書かれている点にあります。
人生に悩む「青年」と、アドラー心理学を実践する「哲人」との対話を通して、人がより自由に、より幸福に生きるための考え方が語られていきます。
難しい理論を並べるのではなく、青年の素朴な疑問や反論を中心に物語が進んでいくため、読者はまるで青年と一緒に悩み、考えながらアドラー心理学を理解していけます。
出版から10年以上が経った今でも新しい読者が増え続け、世界累計1300万部を超えるベストセラーとなっていることからも、その教えがいかに時代を超えて人々の心に響いているかがうかがえます。
もともと僕は心の働きに強い関心があり、ユング心理学を学ぶうちに心理カウンセラー養成講座にも通っていました。
そんな中で出会ったのがアドラー心理学です。
とくに「自己決定性」や「課題の分離」という考え方に惹かれ、その入口として「嫌われる勇気」を手に取ったのがきっかけでした。
実際に読んでみると、単なる心理学の理論書ではなく、“生き方そのもの”を深く問いかけてくる一冊だと感じました。
この本を通じて、人との関わり方や自分の考え方が少しずつ変わっていったことを今でもはっきりと覚えています。
この記事では、「嫌われる勇気」の内容や重要なポイントを、できるだけ分かりやすく紹介します。
また、ネット上の感想や僕自身の体験を交えながら、この本がなぜこれほどまでに多くの人々の心をとらえ続けているのか、その魅力に迫っていきます。
もしあなたが、対人関係の悩みを抱えていたり、自分の生き方に迷いを感じているのなら、この本が新しい視点と勇気を与えてくれるはずです。
本の情報

| 出版年月 | 2013年12月 |
| 著者/編集 | 岸見 一郎、 古賀 史健 |
| 出版社名 | ダイヤモンド社 |
| 発行形態 | 四六判並製 |
| ページ数 | 296ページ |
| 価格 | 1,760円(税込) |
| ISBNコード | 978-4-478-02581-9 |
目次
- 第1夜 トラウマを否定せよ
- 第2夜 すべての悩みは対人関係
- 第3夜 他者の課題を切り捨てる
- 第4夜 世界の中心はどこにあるか
- 第5夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
本の概要

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、哲学者と青年の対話を通じて進む物語です。
物語は5つの夜にわたり展開され、それぞれの章でアドラー心理学の核心が語られていきます。
第1夜では、「トラウマは存在しない」という驚くべきテーマから始まります。
ここで示されるのが、アドラー心理学の基本である「目的論」という考え方です。
つまり、人は過去の出来事(原因)によって動かされるのではなく、「こうなりたい」という目的のために行動しているという視点です。
第2夜では、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と断言します。
劣等感や他人との比較、承認欲求など、私たちが抱える心の葛藤の正体が明らかにされていきます。
第3夜では、アドラー心理学の中心にある「課題の分離」という考え方が登場します。
「他人の課題に踏み込まない」「他人の期待に縛られない」という姿勢が、自立した生き方につながることを説いています。
第4夜のテーマは「共同体感覚」というテーマの中で「共同体感覚」について語られます。
人と人とのつながりや他者への信頼を通して、より良い人間関係の在り方を探ります。
そして最終の第5夜では、「いま、ここを生きる」というアドラーの思想が語られます。
過去や未来にとらわれず、現在を大切にする生き方こそが、幸せへの第一歩だと示されます。
全体を通じて、読者は悩める青年とともに、哲人の言葉に疑問を投げかけながら理解を深めていく構成です。
読んでいるうちに、自分自身が対話に参加しているような感覚を味わえるでしょう。
本書の根底にあるテーマは、「人はどうすれば幸せに生きられるのか?」という問いです。
アドラーは、フロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨匠のひとりですが、かつて日本ではあまり知られていませんでした。
しかし、その考え方は現代の多くの自己啓発書の源流ともいわれています。
とくに印象的なのが、過去ではなく未来に目を向ける「目的論」の姿勢です。
また、自分の課題と他人の課題を切り分ける「課題の分離」も、心の自由を取り戻すための重要な鍵となります。
これらの教えを通じて、本書は「他人にどう見られるか?」ではなく、「自分がどう生きたいか?」という本質的な問いに導いてくれます。
対人関係の悩みから解き放たれ、自分の人生を自分の力で歩むための勇気を与えてくれる一冊です。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』をネットで調べた他の読者の声

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、発売から10年以上が経った今も多くの人に読み継がれている一冊です。
ネット上では称賛の声や驚きの感想、そして深い共感の言葉が数多く寄せられています。
とくに印象的なのは、本書の核心に触れた読者の次の声です。
「自分の信念で自由に生きようとすると、どうしても誰かに嫌われる。全員から好かれるなんて無理。だからこそ、他人の評価を気にせず自分の生き方を貫く勇気を持つことが大切なんだと感じた」
この言葉には、本書のタイトルに込められた“勇気を持って生きる”というメッセージが、読者の心にしっかり届いていることが伝わってきます。
また、別の読者は「人生は他者との競争ではない」という教えに強く共感しています。
「人と比べるのをやめて、“いま、ここ”を大切に生きることの意味を初めて理解できた」と語っていて、この言葉からもアドラーの思想が多くの人に気づきを与えていることが分かります。
さらに、「青年が読者の気持ちを代弁してくれているようで、とても読みやすかった」という声も多く見られます。
哲学や心理学にあまり馴染みのない人でも、物語形式で自然に内容を理解できる点が高く評価されているようです。
一方で、「どの教えも衝撃的で、本の中の青年のようにすぐには受け入れられなかった」という正直な意見もあります。
それだけ、本書が従来の価値観を大きく揺さぶる内容であることが分かります。
中には、「もっと若い時に読みたかった」と悔しさをにじませる声や、「人生が変わる一冊」と語る感動的なコメントもありました。
こうした多様な反応からも、『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』が世代を問わず、多くの人の心に深く響いていることが伝わってきます。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』の評価と書評

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、ただの自己啓発書ではありません。
むしろ、人生の本質を深く問いかける“哲学の書”といえる一冊です。
僕が読んでとくに印象に残ったのは、その革新的な考え方と、読者を自然に導く構成の巧みさです。
アドラー心理学の中でも重要な「目的論」や「課題の分離」という考え方が、日常の悩みを自分の心の在り方から見つめ直すきっかけを与えてくれます。
とくに心に響いたのは、「他者の評価を気にしているうちは、自分の人生を生きることはできない」という哲人の言葉です。
「誰かに嫌われることを恐れず、自分の信じる道を進む」
このメッセージは、まさに本書のタイトルを体現していて、多くの人が抱える“承認されたい”という気持ちから解放してくれます。
また、哲人と青年の対話形式がとても効果的です。
哲人の言葉に戸惑いながらも、少しずつ理解していく青年の姿は、まるで読者自身を映しているようです。
「そうだよね、簡単には受け入れられない」と共感しながら読み進めることで、難しい理論も自然と心に入ってきます。
一方で、この本の内容は優しいだけではありません。
「トラウマは存在しない」という断言は、過去のつらい経験を抱えている人には、冷たく聞こえるかもしれません。
また、「課題の分離」という考え方も、「他人に関わらないこと」と誤解される危険があります。
しかし、著者の岸見一郎氏と古賀史健氏は、本書を通じて明確に語っています。
それは、「課題の分離」は他者を突き放すためのものではなく、むしろ“真のつながり”へ向かう第一歩だということです。
最終的な目標は、他者と共に生き、社会に貢献していく「共同体感覚」にあります。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、読んですぐに答えが出る本ではありません。
むしろ、読みながら考え、自分の中に問いを持ち続けることで、その意味が少しずつ見えてくる本です。
僕自身も他人の期待に応えよう縛られ「都合の良い人」になっていた時がありましたが、「課題の分離」を意識することで、少しずつ“自分軸”を取り戻すことができました。
メンタルトレーニングの経験を交え時間をかけて実践するうちに、ようやく他人の課題に振り回されず、自分の人生を自分で歩めるようになったのです。
この本は、ただ読むだけでは終わりません。
自分と向き合い、考え、行動に移す中でこそ、真価を発揮する“実践の書”。
人生の転機に立っている人、自分らしく生きたいと願う人にこそ読んでほしい一冊です。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』のオススメの読者層

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、読む人によって受け取るメッセージが異なる不思議な本です。
しかし共通しているのは、誰もが少なからず抱えている“人間関係の悩み”や“自分自身への不安”を優しく解きほぐしてくれるという点です。
ここでは、とくにこの本を手に取ってほしい読者層を紹介します。
- 対人関係の悩みを抱えている方
アドラー心理学では「すべての悩みは対人関係の悩みである」と語られています。
職場での人間関係や家庭でのすれ違い、友人との距離感に悩む人にとって、「課題の分離」という考え方は大きな気づきを与えてくれます。
「相手の課題」と「自分の課題」を切り分けることで、他人の評価に振り回されず、心がぐっと軽くなるでしょう。 - 自己肯定感が低く、自分を変えたいと願っている方
「人はいつでも変われる」――この本の中で何度も語られる言葉です。
過去の失敗や環境を言い訳にせず、「これからどう生きるか」という目的に目を向ける。
そんな前向きな姿勢を教えてくれる一冊です。 自分に自信を持てない人や、何かを始めたいけれど一歩が踏み出せない人に、勇気を与えてくれるでしょう。 - 心理学や哲学に興味がある初心者の方
フロイトやユングと並ぶ心理学の巨匠・アドラーの思想を、優しく解説した本です。
哲人と青年の対話形式で進むため、難しい専門書とは違い、物語を読むような感覚で学ぶことができます。
「初めて心理学に触れる」という人にも安心して読める内容です。
もしあなたが「人間関係に疲れた」「もっと自分らしく生きたい」と感じているなら、この本がきっと力になってくれるはずです。 ページをめくるたびに、心の中にあったモヤモヤが少しずつ晴れていくような感覚を味わえるでしょう。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』の類似作品の紹介

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』を読んで心が軽くなった、あるいはもっと深く学びたいと感じたかたも多いのではないでしょうか。
この本は一度読み終えた後にも「もっと理解を深めたい」「実生活でどう活かせるのかを知りたい」と思わせる不思議な魅力があります。
そこで今回は、『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』と世界観を共有する類似作品を紹介します。
- 「幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII」(2016年発売)
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』の正式な続編です。
前作から3年後、青年は教員として成長し、再び哲人のもとを訪れます。
今作では「どうすれば人は幸せに生きられるのか」という、より実践的なテーマを深掘りしています。
理論から実践へ――アドラー心理学を“自分の生活に取り入れたい”人にとっての必読書です。 - 「人を動かす」(新訳版2011年発売)
デール・カーネギーによる、世界中で読み継がれる人間関係論の名著です。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』が“自分の内面を変える勇気”に焦点を当てているのに対し、「人を動かす」は“他人との関わり方”を具体的に教えてくれます。
職場での人づき合いや信頼関係の築き方など、すぐに使える実践的なヒントが多く、両書を読むことで心の内と外、両面から学びを得ることができます。
この2冊はどちらも、「どうすれば人はより良く生きられるのか」というテーマでつながっています。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』で自分の考え方を整え、「幸せになる勇気」で実践へ進み、「人を動かす」で人との関わり方を磨く――この順番で読むのもオススメです。
ぜひ、関連書籍も手に取りながら、自分らしい生き方を見つけてみてください。
著者について

『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、哲学者・岸見一郎氏とライター・古賀史健氏の共著によって誕生しました。
二人の力が合わさることで、アドラー心理学という奥深い思想が、物語として多くの読者の心に届く形へと結晶したのです。
岸見 一郎(きしみ いちろう)
1956年、京都生まれの哲学者です。 専門はギリシア哲学で、古代の思想を研究するかたわら、アドラー心理学を長年にわたり探求してきました。
日本アドラー・心理学会の認定カウンセラーとしても活躍していて、理論だけでなく実践にも深く関わっています。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』では、アドラー心理学の核となる思想面を担当。 抽象的な心理学の考え方を、読者が実生活に結びつけやすい形で提示しています。
代表作に「アドラー心理学入門」などがあり、日本におけるアドラー思想の第一人者として知られています。
古賀 史健(こが ふみたけ)
1973年、福岡生まれのフリーランスライターです。 多くの書籍の構成や執筆を手がけ、その中には数々のベストセラーも含まれています。
言葉の持つ力を誰よりも理解し、難しい理論を優しく伝える文章づくりに定評があります。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』では、岸見氏の哲学的な構想を、青年と哲人の対話という物語形式に仕上げました。
理論だけではなく、感情の動きや人間らしい葛藤が感じられる構成は、古賀氏の表現力によるものです。
著書に「20歳の自分に受けさせたい文章講義」などがあり、文章術や思考法の分野でも高く評価されています。
哲学者とライターという異なる分野の二人が手を取り合い、一冊の本を完成させた。
の融合こそが、『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』の読みやすさと深い洞察を生み出した原動力なのです。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』のよくある質問

- 『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』とは、わがままに生きることですか?
- いいえ、まったく違います。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』とは、他人に振り回されず、自分の信念に基づいて生きる“勇気”を持つことです。
自己中心的に生きることを勧めているわけではありません。
むしろ、他人の期待をすべて満たそうとして自分を犠牲にする生き方から抜け出すことが目的です。
本書が伝えているのは、「他者にどう見られるか?」よりも「自分がどう生きたいか?」を大切にすること。
そのうえで、最終的にたどり着くのが、他者を仲間として受け入れ、共に生きるという「共同体感覚」です。わがままではなく、“自立した優しさ”を育てる生き方なのです。
- 「トラウマは存在しない」というのは本当ですか?
- アドラー心理学の立場では「存在しない」と明確に述べています。
ただし、それは過去のつらい出来事を軽視するという意味ではありません。
アドラーは、「過去の出来事そのもの」が人を決めるのではなく、「その出来事にどう意味づけをするか」が大切だと考えます。
つまり、「過去のせいで今の自分は変われない」と考えるのではなく、「これからの目的のために、どう行動するか?」を選べるという前向きな考え方です。
この視点を持つことで、過去にとらわれず、“これからの人生”を自分の意思で進める勇気が生まれます。
- 心理学の知識がなくても読めますか?
- はい、大丈夫です。本書は、青年と哲人の対話形式で書かれているため、心理学の知識がまったくない人でも読みやすい構成になっています。
青年が投げかける素朴な疑問や反論を通して、読者も一緒に考えながら理解を深めることができます。
専門用語が少なく、物語のように読み進められるので、心理学や哲学の入門書としてもとてもオススメです。
まとめ
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、対人関係や生き方に悩むすべての人に、強い衝撃と深い気づきを与えてくれる一冊です。
アドラーの教えは一見厳しく聞こえるかもしれませんが、その根底にあるのは「人がほんとうに自由に生きるための知恵」です。
本書を通して、自分の生き方を見つめ直すきっかけを得たという読者も多くいます。
- 人との関わりの中でこそ、私たちは悩み、成長していきます。
その悩みの正体を理解することで、心が少しずつ軽くなるでしょう。 - 人は過去に縛られる生き物ではありません。
「これからどう生きたいか」に焦点を当てることで、前向きな行動が生まれます。 - 他人の問題に踏み込みすぎず、自分の責任を果たすことが、健全な関係を築く第一歩です。
- 誰かに認められなくても、自分の信念を持って生きる。
その覚悟こそが、本当の自由をもたらします。 - 過去や未来にとらわれず、この瞬間をどう生きるかが人生を変えます。
幸せは遠い未来ではなく、今この瞬間の中にあるのです。
『嫌われる勇気 ~自己啓発の源流「アドラー」の教え~』は、読む人の心に静かに火を灯す本です。
他人の評価や常識に縛られず、自分の人生を自分の足で歩きたいと願う人にとって、まさに人生の羅針盤となるでしょう。
ページを閉じるころには、「明日から自分の人生を生きよう」という小さな勇気が、きっと胸の奥に芽生えているはずです。


