「本能寺の変」と聞くと、多くの人が学校で習った歴史を思い出すでしょう。
織田信長を討った明智光秀の行動は、今もなお謎に包まれ、日本史の中でもとくに不思議な出来事のひとつとされています。
そんな「本能寺の変」の真相に、新たな角度から迫ったのが、歴史漫画「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」です。
この作品は、明智光秀の子孫である明智憲三郎氏の考えをもとに描かれたもので、これまで当たり前とされてきた歴史の見方に疑問を投げかけます。
物語は、「”定説”は真実なのでしょうか?」という衝撃的な問いかけからはじまります。
400年以上にわたって「裏切り者」とされてきた明智光秀の、本当の姿とは何だったのか?
その謎を、迫力ある絵とともに描き出していきます。
この記事では、「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」のあらすじや登場人物、ネットで調べた他の読者の声や書評を詳しくお伝えします。
作者の藤堂裕氏による力強い作画が、戦国時代の緊張感や英雄たちの思惑を生き生きと表現していて、読み応えのある作品となっています。
歴史に興味がある方はもちろん、普段あまり漫画を読まない方にもオススメできる一冊です。
本の情報

出版年月 | 2017年~2020年 |
著者 | 藤堂裕(作画)、明智憲三郎(原案) |
出版社名 | 秋田書店 |
発行形態 | コミック(紙・電子書籍) |
巻数 | 全8巻(完結) |
価格 | 352円~704円(税込)※電子書籍価格 |
レーベル | ヤングチャンピオン・コミックス |
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」のあらすじ

日本史最大の謎「本能寺の変」。
その深層に鋭く切り込んだ歴史漫画が、「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」です。
物語は、本能寺の変が発生した直後から幕を開けます。
雨が降りしきる中、急ぎ京へと向かう豊臣秀吉。その異常な行動の背景には、意外な視点からの仮説が浮かび上がります。
舞台はやがて過去へと遡り、明智光秀と織田信長の出会いが描かれます。
両者は互いの才覚に惹かれ、幾多の戦場を共にする中で絆を深めていきます。
本圀寺の戦い、姉川の合戦、比叡山焼き討ち戦国の嵐の中で築かれた関係が、やがてある転機を迎えることに。
本作では、光秀の苦悩と信長の思想、さらには周囲の有力大名たちの動きまでも丁寧に描かれ、教科書には載らない“もう一つの真実”が浮かび上がってきます。
事件の背景に何があったのか?
なぜ、あの時代にあの選択がなされたのか?
今なお語り継がれる「本能寺の変」に、新たな光を当てる歴史ロマンがここにあります。
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」の登場人物紹介

明智 光秀(あけち みつひで)
織田信長に仕えた知将。
戦の腕前だけでなく、連歌や茶の湯といった文化にも通じていて、武と文の両面を兼ね備えた人物です。
若い頃はなかなか活躍の場に恵まれず、各地を渡り歩く日々が続いていましたが、信長との出会いをきっかけに運命が大きく動きます。
やがてその才を認められ、信頼厚い家臣として出世を遂げました。
誠実でまじめな性格で、争いのない平和な世を理想としています。
作中では「公正」を体現する神獣・獬豸(かいち)になぞらえて描かれています。
織田 信長(おだ のぶなが)
「天下布武」を掲げ、日本統一に突き進んだ戦国時代の風雲児。
若い頃は「大うつけ者」と見下されていましたが、明智光秀や木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)、徳川家康など、先見の明を持つ人々からは高く評価されていました。
桶狭間の戦いで今川義元を討ち取ったことで一躍名を上げ、天下人の道を歩みはじめます。
本作では、理想の君主を象徴する神獣・麒麟として描かれています。
羽柴 秀吉(はしば ひでよし)
信長に仕える家臣でありながら、光秀に対して密かに対抗心を抱いています。
その実力を認めつつも、いつか追い越したいという思いを胸に秘めています。
作中では、貪欲にすべてを飲み込む神獣・饕餮(とうてつ)に例えられ、野心の強さが際立っています。
徳川 家康(とくがわ いえやす)
光秀の計画に深く関わっていたとされる武将の一人です。
本能寺の変の後に開かれた「裏清洲会議」にも出席していて、その動きには注目が集まります。
細川 藤孝(ほそかわ ふじたか)
光秀の信頼を得て、共に計画を進めていた武将です。
しかし、物語が進む中で立場を翻し、光秀に背を向ける場面も描かれます。
その決断が後の展開に大きな影響を及ぼします。
足利 義昭(あしかが よしあき)
室町幕府最後の将軍。 当初は信長に助けられ、共に京の再興を目指しましたが、次第に関係は悪化していきます。
やがて政治的な思惑の違いから、信長との対立が深まっていきました。
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」をネットで調べた他の読者の声

「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」は、これまでの常識を覆す大胆な歴史解釈で、多くの読者から高く評価されています。
ある読者は「今まで学校で学んだ歴史や、歴史漫画で覚えていた知識がひっくり返された」と驚きを語っていて、本作が「歴史を見直すきっかけになった」との声も少なくありません。
また、「学校の授業に取り入れてほしいくらいの内容だ」という意見も見受けられます。
これは単なる娯楽作品にとどまらず、教育的な価値も感じられるという意味で、非常に興味深い評価です。
中には「信長がどうして本能寺で無防備だったのか、その理由に納得がいった」と語る人もいて、本作が長年の歴史の疑問にひとつの答えを示してくれたと感じた読者もいます。
一方で、「どこまでが事実かわからないけれど、すべて本当に思えてくる」という声もあります。
これは、物語の構成があまりに巧みで、読者を真実かのように信じさせてしまうほどの説得力を持っていることを意味しています。
さらに「明智光秀についてもっと知りたくなった」という感想も多数あり、この作品が人々の歴史への関心を引き出していることがよくわかります。
ただの読み物としてではなく、読後に知的好奇心が湧いてくる点も、多くの人に支持されている理由のひとつです。
読者の声からもわかるように、「信長を殺した男」は、歴史好きはもちろん、これまで歴史にあまり触れてこなかった人にも新たな視点を与えてくれる作品です。
本能寺の変をめぐる“真実”を、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか?
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」の評価と感想

「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」は、戦国時代の大事件「本能寺の変」に対して新たな視点を提示した歴史漫画です。
従来の「明智光秀=裏切り者」というイメージをくつがえす内容が、多くの読者の関心を集めています。
本作の土台となっているのは、光秀の子孫である明智憲三郎氏が十数年にわたって行った調査と研究です。
「ある人物が自分の野心のために歴史の真実を書き換えた」という大胆な仮説が物語の軸となっていて、その斬新さが読者の心を捉えています。
作画を手がけるのは藤堂裕氏。
戦の緊迫感や登場人物の感情を、迫力ある筆致で描き出しています。
とくに、戦闘場面や会議のシーンでは、読み手に臨場感を伝える巧みな演出が光ります。
また、人物の内面にも丁寧に迫っていて、人間ドラマとしての深みも兼ね備えた作品です。
歴史的な裏付けという点でも注目すべき作品です。
手紙や古文書など、現存する史料をもとに綿密な考察がなされていて、信長/光秀/秀吉/家康といった戦国武将たちの思惑や駆け引きが、実在の人物として生き生きと描かれています。
もちろん、本作の内容はあくまでひとつの新説であり、「想像をふくらませた解釈」と捉える人もいます。
史実と創作の境界は明確ではありませんが、「筋の通った仮説」として、多くの読者から共感を得ているのも事実です。
これまでの歴史観に疑問を投げかけ、読者に新たな気づきをもたらす本作は、歴史に興味がある方はもちろん、ミステリーや人間ドラマが好きな方にもオススメできる一冊です。
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」のオススメの読者層

「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」は、単なる歴史漫画の枠を超え、読者に深い問いを投げかけてくれる作品です。
次のような方に、とくにオススメします。
- 戦国時代の歴史に興味がある方
本能寺の変という、日本史上最大の謎に独自の視点から迫ります。
これまでの定説に疑問を投げかける内容は、歴史好きには新鮮な刺激となるはずです。 - 教科書では語られない「裏の歴史」に関心がある方
勝者によって塗り替えられた歴史の奥にある真実を知りたい方にとって、この作品は非常に興味深い読み物です。
「逆賊」とされてきた明智光秀の実像に迫ることで、歴史に対する見方が大きく変わるかもしれません。 - 人物描写に深みのある人間ドラマを楽しみたい方
信長/光秀、/秀吉/家康といった歴史上の人物が、ただの武将としてではなく、一人の人間として描かれています。
野心/友情/裏切りといった複雑な感情が交差する物語は、歴史をより身近に感じさせてくれます。
どれかひとつでも当てはまる方は、ぜひ一度手に取ってみてください。
きっと、あなたの中にある「本能寺の変」のイメージが、大きく塗り替えられるはずです。
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」を読んだ方にオススメの類似作品の紹介

「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」を読んで、「もっと戦国時代の物語に触れたい」「他の角度からも本能寺の変を知りたい」と感じた方も多いのではないでしょうか?
そんな方に向けて、戦国時代を舞台にしたオススメの漫画をいくつかご紹介します。
どの作品も独自の視点から歴史を描いていて、読み比べることでより深く戦国の時代背景を理解することができます。
- 「信長を殺した男~日輪のデマルカシオン~」(2020年~)
「信長を殺した男」の続編にあたる作品です。 本能寺の変の後、豊臣秀吉がどのように権力を握っていったのかを、彼の視点から描いています。
前作で「貪欲な野心家」として描かれた秀吉の内面に深く迫る内容となっていて、前作を読んだ方なら見逃せません。 - 「センゴク」(2005年~2016年/宮下英樹)
実在の武将・仙石権兵衛を主人公に、戦国時代をリアルに描いた作品です。
織田信長や明智光秀も登場し、本能寺の変も異なる視点から描かれています。
ひとつの出来事を多角的に捉える楽しさを味わいたい方にぴったりです。 - 「へうげもの」(2003年~2013年/山田芳裕)
茶人・古田織部の目を通して、戦国の世を文化面から描いた異色の歴史漫画です。
信長や光秀も重要な人物として登場し、戦の裏にある美意識や思想がユニークな角度から語られています。
「戦国=戦い」だけではない世界を知ることができます。
気になる作品があれば、ぜひ手に取ってみてください。
戦国時代をさまざまな角度から楽しむことで、「信長を殺した男」の魅力もよりいっそう深まるはずです。
著者について

藤堂 裕
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」で作画を担当した漫画家です。
戦の迫力や人物の感情を鮮やかに描き出す表現力に定評があり、読者を物語の世界に惹き込む力を持っています。
とくに、戦闘シーンの緊張感や会議の張り詰めた空気を伝える描写は圧巻です。 また、登場人物の内面や葛藤を丁寧に描く手腕も光っていて、単なる歴史漫画にとどまらない深みを作品にもたらしています。
明智 憲三郎
この作品の原案を手がけたのが、歴史研究家の明智憲三郎氏です。
明智光秀の子孫と伝えられていて、十数年にわたって信ぴょう性のある資料を調査し続けてきました。
その成果をまとめた著書「本能寺の変 431年目の真実」が、本作の原案となっています。
彼の研究は、私たちが学校で学んだ「光秀は信長への恨みから突発的に謀反を起こした」という定説に強い疑問を投げかけています。
明智氏によれば、こうした説は「ある人物」が自身の野望のために歴史を書き換えた結果であり、私たちは400年以上もその嘘に騙され続けてきたのだと主張しています。
本作は、こうした明智氏の大胆な新説に基づいていて、「歴史とは果たして誰が語るものなのか」という深いテーマを投げかけてきます。
読み進めるうちに、単なる過去の物語ではなく、現在の私たちの認識を揺さぶる内容であることに気づかされるでしょう。
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」のよくある質問

- この漫画は、どこまでが事実でどこからが創作ですか?
- 本作は、明智光秀の子孫とされる明智憲三郎氏の長年にわたる研究をもとに描かれています。
とはいえ、本能寺の変に関する歴史資料は限られていて、すべてが確定された事実というわけではありません。
そのため、「こうだったかもしれない」という推測も含まれていて、いわば「想像を交えた歴史再考の物語」といえるでしょう。
ただし、作中には手紙や古文書など、実際の資料をもとにした考察も反映されています。
- 続編はありますか?
- はい、あります。
続編として「信長を殺した男~日輪のデマルカシオン~」が刊行されています。
この作品では、豊臣秀吉の視点から「本能寺の変」以降の時代を描いていて、秀吉がいかにして権力を握っていったのかが語られます。
前作を読んだ方には、ぜひあわせて読んでいただきたい作品です。
- 明智光秀は本当に「逆賊」ではなかったのですか?
- この作品では、明智光秀が信長の暴走を止めるためにやむなく謀反に及んだ、という解釈がとられています。
つまり、光秀は個人的な恨みからではなく、国の未来を案じたうえでの決断だったと描かれているのです。
細川家や徳川家康も関わっていたという説があり、単なる裏切りではないという新たな視点が提示されています。
ただし、これはひとつの見方であり、歴史の真相については今も意見が分かれています。
まとめ
「信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~」は、長年信じられてきた「本能寺の変」の通説に一石を投じる、読み応えのある歴史漫画です。
戦国時代を舞台に、明智光秀の知られざる一面や、英雄たちの複雑な思惑が丁寧に描かれています。
- 明智光秀の子孫である明智憲三郎氏の研究をもとに、従来の定説を覆す新たな解釈を提示
- 藤堂裕氏の迫力ある作画により、戦国時代の英雄たちの思惑が交錯する壮大な物語が展開
- 光秀を「逆賊」ではなく、誇り高く仁義に熱い武士として描き、読者の歴史認識を問い直す
本作を読むことで、「歴史とは誰が語るものか」「何を信じるべきか」という深い問いに向き合うことになります。
教科書だけでは見えてこない、歴史の裏側に迫りたい方にこそオススメしたい一冊です。
戦国の英雄たちの生き様や信念に触れながら、あなた自身の「歴史観」を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?